リュウセイズム

シンガーソングライター・二胡奏者 柳 静(りゅう・せい)の活動報告

お客様は神様なの?

最近、良く読むブログを読んでると
『お客様は神様です』という言葉について議論されていました。


「金払ってる方がエラい」という傲慢な価値観がお客様wのモンスター化を導く。
http://kusoshigoto.blog121.fc2.com/blog-entry-339.html
#言葉遣いは乱暴だけど、海外ニートさんの言ってることは好きです。


常夏島日記
「お客様は神様です」という人の正体:儲けている人の場合と、儲けていない人の場合
http://d.hatena.ne.jp/potato_gnocchi/20100216/p1
#このblogは初めて読んだのですが『お客様は神様です』と言う言葉を
#経営と言うジャンルででここまで発想できるなんてすごいな〜と思う…


人の論議になるべく持論は挟まないように心がけている私ですが


『お客様は神様です』


この言葉についての誤解を解かなくては。
と思っているので、勇気を出して声を出してみることにしました。


生前、筑紫哲也さんがニュース23の『他事討論』で
これまた生前の三波春夫さん本人にインタビューされたときの話をしていたことが
記憶に残っています。


三波春夫さん自信は生前から『お客様は神様です』という言葉がひとり歩きして
商店や飲食店などでこの言葉を使われるようになったことに
違和感を覚えていたようです。


私のつたない言葉よりオフィシャルサイトの言葉の方が
分かりやすいかと思うのでリンクを貼っておきます。


三波春夫オフィシャルサイト
「お客様は神様です」について
http://www.minamiharuo.jp/profile/index2.html



オフィシャルサイトにも書かれている通り
三波春夫さんが神様と言ったお客様は聴衆・オーディエンスのことです。


確かにステージで大勢のお客さん(オーディエンス)の前に立つと
自分が持っている以上のパフォーマンスを出せる。
自分が自分以上の力を出せる。自分を成長させてくれる。
まるでお客様は神様だ。
そう言う意味でこの言葉を使ったのだと筑紫さんに語ってくれたそうです。
#一字一句はかなり私の記憶の意訳ですが…


三波春夫さんのコンサート程のステージに立った経験が無い私でも
その気持ちは体験したことがあります。


お客さんが私の演奏で楽しんだり盛り上がってくれると
自分がいつもより良いパフォーマンスを出している気がします。


ライヴが終わり、私のステージを初めて見てくれた見知らぬお客さんに
『本当に良かった、ありがとう』と言われると
その人からうれしさと暖かさを頂いた気持ちになります。


あぁ、三波春夫さんの伝えたかったのはこれなんだって。


私の母は飲食店や旅館でパートをしながら私を育ててくれました。
明らかに客側が悪いこともガマンしてました。
『お客様は神様』だからって。


わたしも飲食店でアルバイトをするようになって
行儀の悪い客を叱ったら逆に店主に怒られました。
『お客様は神様だから』って。


子供の頃からその言葉でガマンしてきた母を見て育っているので
この言葉に違和感どころか嫌悪感さえ覚えていました。


その誤解を打ち破ってくれた筑紫哲也さん、
ミュージシャンとして大事なことを教えてくれた三波春夫さんに
感謝しながら音を作り、奏でようと改めて思います。


そして、私は自分を高めてくれるオーディエンス=神様の為に
もっともっと楽しんでもらうためにたくさん努力します。


『お客様は神様です』


この言葉は全ての表現者の為にある言葉だと思ってます。